日本生命の個人賠償責任保険「まるごとマモル」は、自治体条例の自転車保険としても対応できる保険です。
また、補償内容も充実していて、他の個人賠償責任保険より魅力的です。
しかし、2024年10月に改定がありました。
改悪... 保険料が値上がりした。
改善...更新時に保険外交員と対面する必要がなくなり、自動更新になった。
値上がりしても全体的にはまだ「コスパ良し」の保険です。
しかし、この魅力的な保険にはそれなりのワケが…
それは、加入時に必ずニッセイの保険外交員と対面しての申し込みになる点です。
もちろん他の保険商品の説明も受けるでしょう。いわゆる「ドアノック商品」として用意された保険と思われます。
ドアノック商品とは
保険会社には利益も残らないほど
リーズナブルな目玉保険商品を
作って、それを足掛かりに
新規顧客の開拓を行うものです。
元損害保険社員でファイナンシャルプランナーの私、フルグラが、「まるごとマモル」について詳しく解説します。
ニッセイ「まるごとマモル」のメリット
自転車事故にも対応
個人賠償責任保険の「まるごとマモル」は、自転車保険の代わりになります。
自治体の自転車保険加入義務にも対応しています。
個人賠償責任保険が無制限
上記のように、小学生の運転する自転車の事故で60代女性が寝たきりになり、9,521万円の賠償請求事例も。10年前です。
今なら1億円は超えるでしょう。もし、1億円賠償の保険に加入していて、1億2千万円の賠償請求を命じられたら、2千万円の不足です…
自己破産をしても、悪質な事故の
損害賠償は免れないとの
裁判判例も出ていて怖いです。
悪質とは、スマホでの ながら運転、
信号無視なども含みます。
気を付けましょう💦
「まるごとマモル」は賠償額が「無制限」です。(注意 国外は3億円)
自転車保険でも「賠償保険金額1億円」と少ない保険商品もあり、それに比べると十分な補償と言えます。
電車運行不能での賠償責任も対象
偶然な事故により他人にケガをさせたり、他人の物を壊したり、日本国内で電車を運行不能にしたりして法律上の損害賠償責任を負担することによって損害を被った場合に保険金をお支払いします。
ニッセイ個人賠償プラン「まるごとマモル」より
「まるごとマモル」は
電車運行不能での賠償がでる
と明記しています。
他社では対象外のことが
が多いので、良い点です。
別居の父母まで補償
個人賠償責任保険では通常、「同居の親族、別居の未婚の子」までが補償範囲です。
本人及び配偶者の別居の両親まで補償範囲に入るのは、充実しています。
元損保社員ですが、
保険の補償で
「別居の両親」まで入れた
保険は聞いたことがありません。
かなり広範囲の補償です。
示談交渉サービスが24時間365日
示談交渉サービス付きの自転車保険、賠償責任保険は多いですが、24時間365日夜間でも休日でも、相手方とのやりとりをしてもらえるのは大変助かります。
休日は受付だけという
保険会社がほとんどです。
夜の突然の自転車事故でも
相手方と話してもらえたり、
被害者側の都合に合わせて、
休日にも示談交渉を進めて
もらえるのは有難いですね。
保険料が安い?高い?
「コスパ良し」と言われていたこの保険も、2024年10月から保険料が上がり、月166円(年額1,990円)が、月額197円(年額2,360円)となりました。
年間370円の値上げです。
それでも、この内容の保険としては安いと思います。
下の表で確認して下さい。
他社と比較「まるごとマモル」を比べてみた
まるごとマモル | COOP共済の 個人賠償保険 部分 | 自動車保険の 個人賠償保険 (一般的なもの) | セブンイレブン 自転車保険 | JCBカード 日常生活賠償 プラン | |
他人への賠償額 | 無制限 | 3億円 | 無制限 | 3億円 | 1億円 |
範囲 | 同居親族・ 別居の未婚の子・ 別居の両親 | 同居親族・ 別居の未婚の子 | 同居親族・ 別居の未婚の子 | 同居親族・ 別居の未婚の子 | 同居親族・ 別居の未婚の子 |
自分の補償 | 69歳まで死亡10万 70歳以上2.5万円 | なし | なし | 死亡1000万 | 死亡100万 |
保険料 | 2,360円 | 1,920円 | 約2,000円 | 3,220円 | 2,520円 |
比較から分かる「まるごとマモル」のメリット
- 賠償「無制限」で安心
- 別居の両親まで対象で範囲が広い
- 通常、個人賠償責任保険には自分の補償はないが、少額付いている
- 保険料は値上げしたが、補償内容からみるとまだ安値圏内。
さすが大手保険会社と言える
補償、サービスの手厚さですね。
ニッセイ「まるごとマモル」デメリット
「まるごとマモル」ネット契約は不可
これまで解説してきた内容で、「まるごとマモル」はおトク!と言える保険です。
けれど、私は「まるごとマモル」に入るといいよ!とは、おススメできません。
その理由は、加入時に必ず、生命保険の外交員と対面しないと加入できないからです。
このお得な保険を販売する理由は、「ドアノック商品」だからです。
冒頭にも述べましたが、保険会社には利益がほぼ残らないくらいリーズナブルな保険を売る目的は、新規のお客の開拓のためです。
加入手続きの際、別の保険商品も勧められるでしょう。
年間2千円ほどの保険手続きの
ためにわざわざ来てくれた保険の
外交員。
その人の話を全く聞かないわけ
にはいかないですよね…
強い意志で、自分に不要な保険はハッキリ断る自信がある方は、このお得な保険の加入を検討しても良いと思います。
朗報!対面での更新が不要に
一つ、朗報が。1年ごとの保険更新時、毎回対面が必要だったものが、2024年より自動継続で口座振替に改定になりました。(70歳以上は除く)
ニッセイも、毎年訪問の手間の割に契約が伸びなかったため、方向転換したのかもしれません…
ハードルが一つ下がりました笑
2024年10月「まるごとマモル」の改定
改定①
2024年(令和6年)10月より、保険料が改定され、値上げとなりました。
年額1,990円 ⇒年額2,360円
2千円を切るのは魅力でしたが、年370円値上げ。
改定②
70歳以上の加入者で、本人死亡時の障害保険金
3.5万円 ⇒ 2.5万円に減額に。
改定③
更新時、外交員と対面 ⇒自動更新、口座振替に。
これは改善です。
全体的に魅力が薄れましたが、他の保険商品と比べれば、まだ優れた点は多いです。
まとめ:あいおいニッセイ「まるごとマモル」
「まるごとマモル」のメリット
◎自転車保険としても対応できる
◎個人賠償責任保険が無制限
◎電車運行不能にした賠償責任にも対象
◎別居の両親まで補償
◎示談サービスが24時間365日
◎保険料が安い
「まるごとマモル」のデメリット
◎加入の手続き時に保険外交員と対面が必要
(更新時の対面は不要となった)
いかがでしょうか。
補償は他社より充実した内容ですが、ネックは外交員と対面が必須というところですね。
加入する場合は、ニッセイの営業の「ドアノック商品」であることを十分理解して手続きを進めてください。
「まるごとマモル」に加入検討中の方へ、参考になりましたら嬉しいです。
⇓ ⇓ 自動車保険の特約で個人賠償責任保険を年2,000円ほどで付けるという方法もおススメです。
- Qニッセイの「まるごとマモル」はネット申し込みは可能ですか?
- A
申し込みは対面販売のみで、ニッセイの保険外交員との対面での申込手続きが必要です。
- Qニッセイの「まるごとマモル」は一年ごとの更新時に保険会社の人と対面が必須ですか?
- A
2024年10月頃より、更新は自動更新に変更されました。口座引き落としが可能です。
コメント