自動車保険では、年齢が若い人の保険料は割高です。
そこで、あまり知られていませんが、若い人の保険料を安くする、家族間で「等級を引き継ぐ」という方法をご紹介します。
子供が車を購入したタイミングなどに、保険料が高い子供の新規等級と、割引の進んだ親の等級を入れ替えて、親が新規等級でも年齢条件で、トータル保険料が安くなるというものです。
ここでは、一度手続きをすれば、毎年その差額の数万円分が得になるこの「等級引き継ぎ」について、元損保社員で、ファイナンシャルプランナーの私、フルグラが解説します。
日々の安全運転の積み重ねで割引が増した等級は、家族にも引き継ぐことができる財産のようなものです。
子供さんが小さい方も、このお得な方法をぜひ頭の片隅に置いておいてください。
同居の家族から割引の進んだ等級を譲ってもらう
自動車保険に加入し毎年更新していくと、等級が進み、保険料の割引率も進みます。
この割引きの大きい等級を同居の家族同士なら引き継ぐことが可能です。
子供が卒業間直に免許を取り、卒業後は家から出て独立予定。通勤用の車を準備する必要が…
そのような場合、早めに車を準備し、同居のうちにこの家族間の等級引き継ぎを行うことをおススメします。
子供に自分の等級を譲ってしまうのは勿体ない。
甘やかしすぎだとの考えもあるでしょう。
わが家では、家族分トータルで
保険会社に払うお金を減らしたいと
この制度を使いました。
等級引き継ぎでいくら安くなる?
では、実際いくら安くなるのか。
ソニー損保の「年代別保険料相場」で算出してみました。
条件 ...
◎父・50代で🚗日産セレナを所有 ◎子・20代前半で🚗日産ノートを所有
◎車両保険付き ◎年間走行7千キロ以内
※図では、新規加入で6等級スタートですが、セカンドカー割引適用の場合、7等級スタートできます。(後ほど解説)
子供の新規保険料の高さには
驚きます。
新車で運転も未熟だと、車両保険は
外したくないですし…
20等級からスタートはかなり
お得になりますね。
家族トータルの保険料も
数万単位で下がります。
今回、ダイレクト型(ネット型)保険での比較ですが、代理店型保険の場合は保険料が高めのため、もっと保険料の差がでて、お得感が増します。
この数万円の差が毎年継続していく事を考えると(少しずつ差は縮まりますが)、等級引き継ぎは考えてみる価値がありそうです。
2台目は7等級スタートできるセカンドカー割引
もう一つ見逃せないお得ポイントとして、「セカンドカー割引」があります。
新規で6等級でなく、7等級からスタートできる割引です。
子供が、別居した後に車を購入するとこの割引は使えません。
この2台目割引で加入後に、別居をすることになっても割引適用はそのまま問題ありません。(別居後に車の登録住所を新住所に変更するなどの必要はあります)
2台目割引条件は、
①1台目の記名被保険者と同じか、配偶者、いずれかの同居の親族、リースでも使用者が該当すれば可
②1台目が11等級以上
③自家用車8種であること
これを満たせば、6等級でなく7等級からスタートできます。
等級の割引き率は、保険会社で多少違いますが、6等級で13%割引、7等級で30%割引。17%ほどの差です。
6⇒7等級になることで
10数%の割引き差が。
2台目は別の保険会社で契約
しても割引は可能です。
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自動車保険等級引き継ぎの条件は?
等級引き継ぎ可能な範囲は?
引き継ぎ可能な続柄
- 配偶者
- 同居している親族
- 配偶者と同居している親族
「親族とは6親等内の血族又は3親等内の婚姻」です。
分かりにくいですが、「親族」の
範囲は広いので、一般的な家庭であれば要件は満たします。
配偶者は、別居でも引き継ぎ可能ですが、別居した子供への引き継ぎはできないので注意しましょう。
どうしても別居の子供に
引き継ぎたい場合、妻が別居の子と
しばらく同居して、保険引き継ぎの
手続きをするという裏技もあります。
ネットでやり方も載っています。
(配偶者と同居している親族にあてはまるため)
保険契約に「同居」の詳しい定義がないので
違法ではないです💦
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等級を引き継げるタイミングとは?
家族間で等級を引き継ぐのは、特定のタイミングでしかできません。
車を売却や廃車、購入したり譲ってもらった場合など、車の所有に変更があるタイミングです。
今現在所有している車同士ではできません。
自動車保険等級引き継ぎの手順
車を購入し、親から子供へ等級を引き継ぐ場合の手順
①子の車の納車日が決まったら、早めに車検証コピーをもらう。
②納車前に親の車の保険会社に電話し、親の保険を新しい車へ「車両入替」手続き。
③それと同時に、保険の名義、記名被保険者を親から子供に変更。
③親の車が無保険状態になるため、親の名義で新規加入する。
ネット型保険でも、電話で
変更手続きは可能です。
(車検証写し等郵送の必要はあり)
事前に電話で問い合わせると、
手順や必要なものを説明してくれます。
家族間の「等級引き継ぎ」注意点
①等級は同居の親族か、配偶者(同居・別居問わない)、配偶者と同居している親族にしか引き継げません。別居の子は引き継げません。
②2台目は他の保険会社でも、等級引き継ぎは可能です。しかし、共済など一部では、等級引き継ぎができない場合も。
③等級を譲った人は6等級や7等級から始まるため、元の等級に戻るまでに数年~13、4年かかります。あとで、“こんなはずでは”とトラブルにならないよう注意しましょう。
すぐに引き継げない場合は「中断証明書」を
車を廃車・譲渡・車検切れなどでしばらく乗らない場合や、海外渡航での空白期間がある場合に等級を維持しておく「中断証明書」というものがあります。
保険会社へ申請の際は、廃車や譲渡を証明する廃車証明書や登録事項等証明書の提出が必要です。
中断証明書は同居の親族も使えます。
高齢になった祖父が、車を手離し免許を返納した場合には中断証明書を取得。
10年以内に同居の孫が車を購入した場合、この祖父の等級を引き継げます。
申請は無料です。
忘れていても5年以内であれば
申請できます。
3世代同居の場合は、
中断証明書もうまく使えば、
この割安な等級を家族間で
引き継いでいけるんですね!
自動車保険をネット型、ダイレクト型で安く
保険料を安くする裏ワザなどありますが、根本的に大幅に安くするには、ネット型、ダイレクト型保険をおススメします。
私も20数年、ずっとネット型自動車保険です。
分からない手続きは電話で聞くこともありますし、困ったことはありません。
小さな事故ですが一度事故しました💦
その際も、電話だけでの対応ですが
各所に手配してくれ、困ることは
何もありませんでした。
どこが自分に合う一番安い保険会社なのか、一括見積もりで出すことができます。⇓
セールスの電話は一切ないです。
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一括見積もりで、平均で約37,000円保険料が安くなったというアンケート結果も。
現在、代理店で自動車保険に加入されている方は、ぜひネット型も検討してください。
自動車保険「等級引き継ぎ」まとめ
若い運転者の保険料を安くする方法として、家族から等級を譲ってもらう「等級引き継ぎ」というものがあります。
一度引き継ぎの手続きを
すれば、数年に渡って
トータルの保険料が安くなります。
同居の親族に限られるので、卒業や就職などで家を離れ、車を使用する予定の人は、早めに手続きをしましょう。
車の購入や売却タイミングしか引き継ぐことは出来ません。
等級引き継ぎと合わせて、保険料を安くするポイントとして、
◎2台目のセカンドカー割引に該当しないか。
◎家族の中断証明書を利用できないか。
◎一括見積もりでもっと安い保険会社はないか。
この部分もチェックしてみましょう。
安全運転で積み重ねた割安等級です。大切に上手に家族間で引き継ぎ、世代をまたいで家計の節約に役立ててほしいです。
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- Q等級引き継ぎは、別居の子供が引き継ぐ方法はないですか?
- A
同居の子供だけしか引き継げません。
けれど、「別居の配偶者」は引き継ぎ可能なので、例えばしばらく配偶者である母が子供と同居すると、等級引き継ぎも可能だと思います。「同居」の詳細な定義が保険会社にないためです。
- Q中断証明書があれば、亡くなった祖父の等級を孫が引き継ぐことは可能ですか?
- A
可能です。同居の孫は祖父の割安等級を引き継ぐことができます。車両の記名被保険者またはその配偶者や同居親族は中断証明書を使用できます。詳しくは保険会社へ問い合わせてみましょう。
- Q自動車保険の等級引き継ぎは、手続きは難しいですか?
- A
それほど難しい面倒な手続きではありません。ネット型保険でも、電話で詳しく手順を説明してもらえるので、安心して手続きができます。代理店契約の場合は、代理店へ車検証を提出すればスムーズに手続きしてくれるはずです。
- Q自動車保険の等級引き継ぎはどれくらい安くなりますか?
- A
車の車種、保険会社など条件で違いますが、若い人の等級引き継ぎであれば、年間数万円は安くなります。また、一度手続きをすれば、長年に渡ってその数万円の節約が継続するので、少ない場合でも数万~10万円位の保険料節約にはなるでしょう。
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